養老孟司著「半分生きて、半分死んでいる」PHP。18年4月。
漢文「十八史略」伝説の君主帝堯の話で、堯は、百姓が帝に無関心な
ことを知り、いい政治の証拠だとして安心した。
著者も政治に無関係無関心に鼓腹撃壌(堯の時代の民の様に、
太平な世の中で生活を楽しむ)したい。今風の政治宣伝を好まず。
Italy人の思想は、どん底に落ちたら、掘れ。
Localの底を突き抜けるとglobalになる。頭の中はすぐに煮詰まる。意識は煮詰まる。
感覚を通して知られる外界が煮詰まりを正す。
現代人は外界を嫌悪し人工環境の中で生活する。日本の大学には思考法教育が無い。
著者は、間接喫煙の害に関する調査結果を公表した厚労省に立腹。
自身は禁煙主義者(実態は喫煙者)で一日に数十回禁煙すると述べる。
中共政府は尖閣に手出しするよりも、明治神宮の森造りを真似しろ。
生物の基本は遺伝子、は誤り。細胞が基本だ。
細胞の中に情報源として遺伝子がある。社会は合理性、効率、経済だけで良いのか。
他の可能性を思考せず、は易きに流れることだ。
現代computer文明では現物はnoiseにされる。情報が多過ぎて処理不能。
世の中の半分の人は言行不一致。言葉と行動が正反対。多くの人は、
不快な真実よりも心地良い嘘が良い。
状況依存の日本社会では主体性や自己責任は成立せず。日本の本土防衛は盤石だ。
沿岸に50余りの最終兵器があるから。(いざとなれば原発を自爆攻撃に使用する)
USA neo -conの、目標達成のためには嘘は当然、の思想を嫌悪。
著者は、大学教授時代、科学研究費用申請の際に、
研究の有用性なる嘘を書くのが嫌で、書類作成放棄。研究費不受給を甘受した。
社会の嘘を減らすには、目先の得に飛びつくのを止める。
日本語で商売する日本のmediaが、global化(英語化等)に賛成するのは矛盾。
意識は従僕、身体が主。意識に世界を変革する権利は無い。
日本の商売の三方良し、店良し客良し世間良し。自分不在。これが公だ。
国だけを公とするのが右翼で、個と公を混同するのが左翼。
世界を意味で満たすことは、恐ろしい社会を作り出すことだ。
意味不明なものだらけなのが当然だ。意識に科学上に定義が無い。
年号は煩雑だ。だから文化財として保存する価値がある。天皇制も保存価値がある。
文化は、余分なものが層状に存在する。
文化は経済性合理性効率性よりも重要だ。国家、軍国主義による身体統制は嫌だ。
北Koreaの人文字は背筋が寒くなる。
著者が東大教授時代、NHKの書評番組に出演、大学に届けを出すと、事務局
から暴利だと叱られた。著者は1995年に母を亡くして東大を辞めた。
人は暇になり、世界各地に観光客が溢れる。