Dugin著、地政学の基礎、続き。
第4章、Alfred Mahan。海の時代。
Mahanは政治にも影響力。Henry Cabot LodgeやTheodore Roosevelt元大統領に影響。
4.2Mahanの海洋勢力の模範は古代Carthageと17、19世紀の近代英国。海軍は貿易船を保護するためのもの。
4.3。MacKinderは、1905年の論文で、USAを大陸勢力とした。MahanはUSAの覇権戦略として4つを提示。
一、海洋勢力英国と協力。二、Germanyの海洋への主張を抑止。三、日本の太平洋進出を監視し阻止。四、欧州とともにAsia人民を封じ込め。
Mahanは、海洋文明への主要な敵は一に中露、二にGermanyとした。Sovietに対する封じ込めは、USA南北戦争でのanaconda作戦と同じ。
敵の領土を海で封じ込める。第5章、Vidal de la Blache。France対Germany。
5.2Vidal de la BlacheはFranceを海洋勢力に入れ、Germanyと対抗させた。彼はAlsace -LoraineはFrance領であり、Germanyの領土主張は不当だとした。
第6章、Nicholas Speakman(Spykman)。
Speakmanは、欧米を大西洋大陸勢力と見なした。大西洋を、欧州地中海と同様のものに見立てた。彼の構想はNATOの先駆け。
第7章。Karl Haushofer。彼は1908年から10年にかけて、日本と満州で軍人として生活。(対日生活で日本を誤解?)
皇族とも知己になる。健康を害し、1911年にGermanyに帰国。弟子のRudolf Hessを通じてHitlerを知る。
HaushoferがHitlerの「我が闘争」の一部を執筆したとの噂があるけど、嘘臭い。Haushoferの見方はNaziと一致する部分もあるけど、ことなる部分もある。
Naziは新秩序を掲げた。Americaは新世界秩序を掲げる。Haushoferは、Berlin、Moscow、東京の枢軸関係を目指した。
(大陸連合と日本がなぜ組むのか不可解。戦前日本が大陸地政学に毒されたことは反省材料だけど、大陸勢力の側も日本を誤解したらしい)
7.3、HitlerはHaushofer戦略を採用せず。人種を地理や地政学よりも重視した。人種戦略を一貫させるなら、Germanyは英米と同盟してSovietと敵対するのが正しい。Hitlerは人種戦略としても矛盾。
続き。
Hitler第3帝国は、2つの戦略を追求。人種主義と反共産守護反Soviet戦略。大陸国として、海洋勢力英国、Franceと敵対。
Haushoferは、表向き日独伊同盟に賛成したけど、Russiaを含めた自身の大陸戦略に比べて不満。
第8章、Karl Schmitt。Behemoth対Leviathan。Schmittは、Germany保守革命派代表者。
法の支配を批判。各民族は文化主権を持つとした。精神、歴史、政治の同一性を保持する権利があるとした。
Schmitt思想は、国家の政治社会形態は神話に根を持つとする反原子論。浪漫主義の要素もある。
Nuremberg裁判でKarl Schmittを戦争犯罪人にすることが画策された。それは実現せず。でも1970年代まで、Schmittは学界で無視された。
Schmittはnomos概念を重視。移動民と定住民を比較。1942年に「大陸と海洋」を出版。
Schmittは大陸勢力をBehemothとし、海洋勢力をLeviathanだとした。旧約聖書の怪物に由来。Schmittの大空間論も重要。
第9章、Pyotr Nikolaevich Savitsky。Eurasiaこそ中国だ、論。Savitskyは恐らく最初で最後のRussia人地政学者だ。
SavitskyはSlav主義者の思想に影響された。彼は1933年の論文「Eurasia主義の地理上、地政学上の基礎」でRussiaは「中国」と呼ばれるべき理由をChinaよりも多く持つとした。
Russiaは欧州ともAsiaともことなる独自の世界、Eurasiaだ、と。Russia文明はAryan人、Slav人の文化とTurkey系遊牧主義と正教の伝統を複合させた特異なものだ、と。
Tartar無くしてRussia無し、RussiaはChingiz Khanの大義の継承者だ、と。
9.5、海洋勢力は自由民主主義、貿易、実用主義。乾燥した大陸は理念の支配、階層型政府、宗教理念の支配。
Savitskyの見方はGermanyの社会経済学者Wernar Sombartと共鳴する。Sombartは社会人の型を英雄と商人に分けた。