John Mearsheimer著「大国政治の悲劇」
大国は常に現状を見直し変更する意図を持つ。力の均衡を、妥当な費用で変更出来るなら、力を行使する。
究極目標は覇権。地球覇権は不可能であり、大国間の競争が永続する。3つの条件が大国を闘争させる。
1、国家を超える権威が不在。2、国家は必ず軍事力を持つ。3、国家は他国の意図が分らず。
国家は恐怖の故に力を強化して生存機会を増やすことを目指す。これは誰の意図にもあらず。全くの悲劇だ。
不幸なことに、中共への関与政策は失敗する運命だ。中共が経済力を得たなら、それを軍事力に転換し、北東Asia支配に動く。そのことと、Chinaが民主化されるか否かは無関係。
(この点は的中させたけど魯国の帝国主義化に関しては外した。著者は理論を反省せずに、欧米のNATO拡大政策に責任転嫁)
(大国は左であれ右であれ民主主義であれ帝国主義であれ戦争に走る。戦後日本左翼が、保守は軍国、革新が平和、としたのは不当で浅薄)
USAは同盟を作り中共封じ込めに動く。USAと中共の対立は必然。本書は国際政治の現実主義理論を呈示。現在蔓延する楽観論に対抗するものだ。
攻撃性現実主義の概念を呈示。多極化国際体制は、二極体制よりも戦争になり易い。多極体制で潜在覇権国が存在する状況が最も危険。
社会科学の土台は自然科学に比べて弱いから、社会科学の予測には必ず誤りが含まれる。それでも社会科学者は、自身の理論で予測をするべきだ。
社会科学、政治科学では理論は不評。怠け者の思弁、現実世界と無関係とされることが多い。
政策立案者は、理論よりも常識や直観や経験を頼りにするべきとされる。著者はそれに不賛成。
複雑な世界を理論に要約するのは不可欠のことだ。1990年代半ばのNATO東方拡大は、理論と政策の密接な関連を示す。
Germanyは、何故、魯国が日本に敗戦した1905年に戦争せずに、1914年に第一次大戦に突入したのか。理論に反すること。
続き。