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伊租甫の忍者blog2号

国際社会の弱肉強食を脱却するべきだけど、近代自由解放主義は矛盾

 Mearsheimer著、大国政治の悲劇、続き。著者の攻撃性現実主義理論は、指導者個人の資質とかideology問題を軽視。

他国と比較した国力を最重要視。現実主義国際関係論で20世紀の大家は、E.H.CarrとHaus Morgenthauと、Keneth Waltz。

CarrもWaltzも、経済相互依存が平和の展望を高める、とのLiberal説を批判。Waltz名誉教授は、多極体制は2極体制よりも安定するとのMorgenthau説を批判。

Morgenthauは、国家には力への欲求が内在するとしたけど、Waltzは、国際構造が、国家を、力の追求による生存可能性向上に進めさせるとした。

Liberal派は、18世紀啓蒙主義が発祥。理想主義。Liberal派は、国家が国際政治の主役だとし、良い国と悪い国があり、良い国を増やせば世界が平和になるとする。

良い国かどうかを決めるのに力はほぼ無関係だとする。民主平和理論は、民主主義国は他の民主国に戦争せず、とする。

Liberalの中で、国際機関が戦争の恐れを引き下げるとする派がある。国家間の交渉で決められた規則の束としての国際機関。

Liberalが楽観論なら現実主義は悲観論だ。平和な世界を作ることは理想として望ましいけど、現実性が乏しいとする。

現実主義は国家が主役だとするけど、大国に焦点を当てる。大国は内部要因よりも外部により動かされる。

良い国と悪い国の区別は無いとする。国家の主要な思考は力に関する計算。国家は時には他の国と協力するけど、根本のところは国家間利害は対立する。

CarrもKennanも自由主義外交論を展開したけど、国家が何故力を追求するのかを明かにせず。

Morgenthau、Waltzは古典現実主義。Morgenthauは、国家指導者の力への意志を想定、それが人の本性だとする。

防衛現実主義、構造現実主義が1970年代後半から興隆。Waltz著「国際政治理論」は、国家は無秩序な国際社会を防ぎ、勢力を均衡させるために力を求めるとした。

続き。力が国家生き残りのための最良手段。現役理論家Randall  Schweller教授は、Waltz氏は国家が国際社会の現状を維持したいとの偏見が強いとする。

Waltzは、国家は攻撃よりも均衡を重視するとした。Waltzは戦争の原因に関して多くのことを述べず。

戦争は不確かさや誤算で起きることが多いとした。Robert Jervis、Jack Snyder教授、Stephen van Evera教授はWaltzを批判。

国家が防衛を選ぶか攻撃を選ぶかは状況次第、国家が有利な方を選ぶ、とした。著者の攻撃現実主義は構造理論の一種。

Morgenthau流の力への意志論を採らず。著者の立場の先駆者はG.Lowes Dickinson。

彼は「欧州の混沌」で、第一次大戦の原因はGermanyにあらず、他の強国にあらず、欧州の混沌が原因だとした。

欧米では、戦争を力の闘争と見る現実主義が不人気。戦争は道徳十字軍であり、天使対悪魔、善対悪だとする人が大半。

America人は欧州人以上に、力の均衡の思考に反感。Wilson元大統領は力の均衡への批判で名高い。F.D.Roosevelt元大統領も力の政治を批判。(実際には第二次大戦を指揮した)

Clinton元大統領も、純粋な力の政治の微積分は新時代に不適合だとした。彼は、20世紀の、大国の領域政治が21世紀も続くのは誤りだとして、NATO拡大を正当化。

America人の基本の価値観はLiberal思想、楽観論、道徳主義であり、進歩への楽観。現実主義はそれと衝突する。

現実主義は悲観論。社会学者Seymour Martin Lipsetは、America人は理想郷道徳主義者だとした。

究極には戦争廃絶を望む。Clausewitz戦争論に反対。Americaの指導者は、口ではLiberal思想を主張しながら、実際の行動は現実主義だ。

1939年にCarrが指摘したこと、英語勢力は利己主義の国益追求を、一般の良きことに偽装することに熟達、この偽善はAnglo -Saxonの特徴だ、と。

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