石平著「尖閣問題。真実のすべて」海竜社。12年12月。
80年代から中共は、毛沢東流戦争侵略路線を一旦棚上げ。
経済発展優先させつつ、海洋軍事戦略構築した。
21世紀に入り、行動に移す。2010年国防動員法制定。
対談相手の岡崎元大使は、1971年米中手打ちで、日米
間に共通の対中戦略は消失した、とする。
尖閣棚上げはあちらの勝手な主張、日本側が認めた
ことは無い、とする。72年の対中国交は誤りだとする。
普段左翼に辛口の石平さんは、尖閣問題での野田佳彦
元総理の対応には合格点。
胡錦濤元主席が野田氏に尖閣国有化反対を直接話した
のは、Alibi工作。日本側の方針撤回が無いのを承知の上。
元日本財団山田吉彦教授は、経済人丹羽氏を中国大使に
したのは誤りとし、日本は海洋省設置を検討して良いとする。
尖閣問題を国際司法裁判所にかけて、日本が勝訴したと
しても、何の効力も無い。複数の島を山分け、の裁定
になる恐れもある。
Ospreyを、日本海上保安庁も購入すれば良い。石原知事
に尖閣購入させればよいところ、政府購入で紛争拡大させた。
海に詳しい政治家は参院に多い。二院制維持すべき。
▼石平著「なぜ中国は民主化したくてもできないのか」
18年3月。
数年前、中共習主席は2017年、1期目任期終了と
ともに失脚すると予想して外した著者、思考を組み直す。
習氏は主席任期撤廃、自派で固めた人事で独裁強化
したけど、これは本人の能力以上にChinaの国家
伝統が然らしめたこと。
秦は、東Asiaで皇帝制を創始。Chinaは秦に由来するけど、
秦以来の皇帝は、それ以前の王制が封建制、
分権制であるのに対して、独裁中央集権。
秦は独裁制確立に驕り、大規模徴兵、万里長城や
宮廷建造、知識人弾圧などの暴政。
民衆の反乱を招き、15年で潰れた。しかし前漢は、
秦の失敗を反面教師にし、200年超の長期政権を運営。
皇帝制の伝統を固めた。儒教を国教化し、漢字漢人
の概念を定着させた。
皇帝制を、聖君仁政概念で美化した。民衆側も、
革命の際の大混乱に比べれば、する方がまし、の
思想を受入れた。
2千年余り継続した皇帝制は、西洋勢力が浸透し、
国際情勢が変化する中、清国を最後に崩壊。
ただし中華民国革命を主導した孫文は、非漢人勢力
排除が主眼で、民主化を本気では意識せず。
1916年に皇帝制復活宣言しながら2か月で潰された
袁世凱の例があるから、世襲皇帝制を復活させる
ことは困難にしても、Chinaの独裁志向は不変。
中共建国者毛沢東は、皇帝型独裁独裁に走り、
莫大な犠牲を出した。
鄧小平は毛沢東政治を反省し、集団指導、合議制、
任期制を導入、経済開放と政治改革の両面改革を
実施したけど、習氏がそれを反故にして独裁回帰。