文藝春秋special、2015年冬号。日本最強論。
福島清彦立教大学特任教授。2009年にStiglitz教授がまとめた新経済指標では、日本が1位。
河合幹雄、桐蔭横浜大学教授。統計数字上は治安悪化どころかむしろ改善。
でも体感治安悪化。社会の境界が衰退し、どこで犯罪に遭遇するか分らぬ不安が増大。
時空間の境界、人の外観の境界。特定の場所で犯罪が起こるとは限らず。犯罪者の見分けもつきにくい。
日本は他国に比べて少年犯罪者の更生率が高い。欧米は個人主義、厳罰主義、自己責任。
日本はうまく行かぬ人に他人が世話をする。
井手英策慶大教授。戦後日本の保守政治の底流ででは、社会保障による救済よりも、
公共事業による勤労が重視された。
特定の誰かの利益を満たす分断型財政。(民に労働を押しつけ、権力者らが利権を貪る)
浅川芳裕さん。日本の農家数は大きく減少、生産性は向上。農水省職員数は減らず。
減らすべき。
農業法人労働者は、2010年に232万人。農水省統計は、彼らを農家人数から除外。
著者提案、特定作物、米等への優遇政策を撤廃、減反政策を完全撤廃、
農地価格を政策により吊り上げることを止め、生産性に応じた価格にする。
農産物関税引下げて、国内食品加工業の国際競争力をつけよ。TPP賛成。
石原慎太郎元知事。日本の天皇は、古代Egypt Pharaohに匹敵する祭祀王だ。
靖国問題を歪めた責任者は中曽根元総理。一旦「公式参拝」しながら、批判されてぶれた。
日本の植民地政策は寛容なもの。Park父元大統領も、それを認めた。同元大統領は、竹島爆破を提案。
南Koreaの経済は、日本が手を引けば、すぐに潰れる。中共に対しては、戦争したいならしてみろ。
中共には外洋海軍が無いから勝負にならず。(Chinaを安易に侮る)
磯田道史、静岡文化芸術大学教授。日本史研究家なのに、日本の若者に、歴史よりも技術開発をやれと勧める。
global化で、国語が非日本語化する恐れがあるとする。(自動翻訳の発達で、多くの在来言語が生き延びるのでは)
▼続き。中野剛志さん。
日本はUSAに比べれば製造業が遥かに生き残るから、公共投資で需要不足が解消されれば、
立ち直り可能だ。(楽観し過ぎでは)
民族の同質性が非常に高く、所得格差は広がりつつあるも穏当な水準に止まり、
国民統合が高度な日本社会の強みは世界で群を抜く。
経済成長終了の新常態new normalに最適なのが日本だ。
橘玲さん。人権は、人の価格が高くなること。欧州で人権思想が生れた契機は、17世紀(ママ)に大流行した黒死病だ。
経済学者速水融は、近世日本で家畜を使用することによる生産効率追求を避け、
失業人余りを避け、勤勉による生産増を追求したことに注目した。
西洋の産業革命に対比される勤勉革命だとした。北欧は少人口社会の故に人権重視。
大学を職業訓練校化。人文学系廃止。失業保険手厚い代りに解雇自由。
大石久和さん、元建設省。大陸城壁都市、西洋文明は合理主義。予め紛争対策を準備する。
長期俯瞰思考。顔を知らぬ人びとに厳格な規則を適用。命令伝達、理解のための合理言語。
日本は情緒主義。災害が起きてから被害を最小化させる。臨機当座主義。
日本語は世界随一の多様な一人称二人称を持つ。顔見知りが話して決める。妥協主義円満主義。
揉め事を避ける。天災の多い日本では人は特別の存在とされず。山川草木悉皆成仏。
養老孟司さん。山本七平流の「空気」は言葉で表現されざる微細な情報の総体。
敗戦で「空気」による決定が否定され、西洋流の議論による決定が正しいとされた。
西洋の脳の使用法に改めることが試みられた。丸山眞男が典型。西洋のやり方は概念化抽象化。
意識を主体とする。日本では具体性や微細な差に注目。身体が私であり主体だ。
独身生活では日本人の脳が壊れる。日本人は自然や他人と相対するべきだ。
自分の意のままにならぬ存在に対応する。
西洋人は自然を支配しcontrolするけど、日本人は自然に手入れをする。自然を丁寧に観察する。
Atkinson氏が、China産の漆から自社生産のものにしたことや、若手職人を入社させるために、
年配職人を説得して賃下げを呑ませた話に感心。
冨山和彦さん。地方経済は人手不足。労働生産性を上げることが必要。
Abenomicsはglobal企業対応の規制緩和、地方経済には無効。地方経済は競争原理が働きにくい。
最低賃金を千円以上にしろ。経営者の銀行融資個人保証制度を改めよ。日本政府は地方版所得倍増をやれ。
松谷明彦さん。元大蔵省主計官。少子化の原因は、1950年から実施された産児制限、
妊娠中絶合法化。(その後の1970年代以降のglobalismによる中間層衰退、結婚減少も問題だ)
Ossouby Sacko京都清華大学教授。日本は差別よりも排除の論理で作られる。一見さんお断り。
日本人には本当の意味での協調性は無い。表面上他人に合せるだけ。
自己主張した上で他人と折合をつけること(それが著者の協調)をせずに逃げる。
渡辺京二さん。Platoの理想国家論は誤り。
半藤一利、元編集長。昭和帝には三つの顔がある。一つは、立憲君主としての天皇。
二つは戦前陸海軍統帥者、大元帥。3つは、1と2の上に皇祖皇宗に連なる大司祭であり神の裔である大天皇。
大天皇とは、大井篤、元海軍参謀将校から聞かされたもの。
天皇としては背広、大元帥としては軍服着用。
昭和帝の母、貞明皇太后は、昭和帝退位を要求。秩父宮摂政構想。
福田恒存。1962年8月の講義から。政治は何らかの意味で必ず悪を犯す。
時には嘘をつかねば成り立たず。
あらゆる思想はみな悪を持つ。基督教もだ。悪に対する大義名分を必要とする。
大化改新で中臣鎌足は儒教を大義名分にした。思想を作り上げるには天才の出現が必要だ。
大勢の人を軽蔑する理性は、ひ弱なものだ。人間は悪無しには生きられず。
明治以降の日本は歴史軽視。文明開化に不都合な歴史をみなご破算にした。
戦前日本の国家主義は、西洋流の生き方だ。広島、長崎の原爆投下以前に日本は西洋文明の「原爆」攻撃を受けた。