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伊租甫の忍者blog2号

國體思想は左翼の国家幻想論と対立する?

佐藤優著「日本国家の神髄」扶桑社新書。
本書は「國體の本義」を全否定する左翼の立場に反対して「國體の本義」に注釈を施しつつ、
現代の読者に紹介する。
國體は見えざる憲法だ。「天皇制」なるComintern用語で日本國體を説明することは出来ず。
戦後冷戦期の親米保守は、冷戦終了とともに、役目を終了した。
今の親日保守は、Americaの新自由主義に反対せねばならず。

(Globalism反対は良いとして、著者の戦術は疑問)

神話を回復するべきだ。神話の働きで、我われは死を克服することが出来る。
日本人は古事記日本書紀の、天地開闢、天孫降臨の感覚を取り戻すべきだ。
教育勅語の根本は、高天原の神がみに連なる神意を反映したもの。(疑問)
「國體の本義」は、欧米近代を、原子論の世界だとして批判。
(近代原子論思想を超えるものとして、量子力学を援用するのが恐らく正統だけど、
著者はその立場を採らず)

国語学者、国学者の山田孝雄によると、天皇は現人神であるのみならず、
日本国土は神格を持ち、天皇の子たる国民もまた神格を有する。
Lehman金融危機が国家破綻に至ることを回避したことに関し、
我われは天照大神のご加護に感謝すべきだ。(疑問)
日本の社会原理は、稲穂に象徴される農本主義だ。
改憲よりも、國體に関する議論を重ねて国民合意に達することが先だ。
天皇制を封建制として定義するCominternは誤りだ。

「國體の本義」の世界観は、Leibnitzの単子論思想と親和性がある。
「國體の本義」は共産主義、自由主義のみならず、Italy Fascism思想をも拒否。
「國體の本義」は武家幕府政権を、國體(天皇支配)に反する政治の変態と批判。
(武家を否定するのは無理な思想、武士思想を否定した戦前日本の軍国主義は、
戦略無き無理なものになり、無残な結果をもたらした)

続き。
「國體の本義」は、徳川慶喜が、Franceからの援助、
外国からの干渉を拒否して大政奉還したことを評価。
著者は、慶喜が高天原の精神に忠実だと評価。
現代検察は、小沢一郎代表を捜査で虐めて政争にすることが、
日本の国家体制を弱めることに気付かず。
外交に無知だ。独り善がりの正義だ。
日本の国生み神話は、猶太、基督教の創造神話と親和する。(疑問)

欧米人は、超越性を体得するためには哲学や神学の訓練を経る必要があるけど、
日本人は、そんなことをせずとも、神社に参拝して、二礼二拍一礼をするだけで良い。
日本人の特権だ。(言語、抽象思考を重視する欧米と、行動重視の日本の差異、
どちらが優れるかを決めつける必要は無い)
教育勅語は人為のものにあらず。神がみの言葉を明治時代に再発見し、文章化した
神憑り文書だ。(疑問)

それが勅語の強みだ。個人の立身出世のためだけの学問は、日本國體に反する。
「國體の本義」は知行合一を賞揚し、知識偏重を批判。
皇室典範を、法律の一種にした戦後体制は問題。典範は憲法外に置かれるべきだ。
明治憲法は、國體を可視化させるために設けられた。明治憲法も一種の押しつけ憲法。
外国からの圧力によりもたらされた。
「國體の本義」は、天皇は統治権の主体だとし、天皇機関説を否定。
天皇万世一系とは、実証史学とは別の、信仰の問題だ。(意味不明)


著者は、自眠党の天皇元首化論に反対。天皇は、元首を超えた存在だ。
「國體の本義」は天皇親政論。武家への委任統治や英国流の、君臨すれども統治せず、
や君民共治を否定。
大川周明は君民共治論。著者も「本義」の君民共治否定を疑問視。
「國體の本義」を、著者は高水準の思想書だとする。國體明徴は排外主義にあらず、と。


著者は旧皇族出身者竹田恒泰さんの、日本国憲法第一条に関する解釈を褒める。
竹田氏の改憲不要論を褒める。

(國體は、恐らく、国が身体だとする思想、国家は幻想、抽象概念とする思想と
対立するもの、自分は後者に傾く)
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