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伊租甫の忍者blog2号

無理して他人に媚びるな、孤独死を恐れるな。

加藤諦三著「生きるのが辛いのは決してあなたのせいではない」
PHP、99年4月。
搾取者と被搾取者とを、心理面で対比させながら論ずる。
政治学流の権力論よりも面白い。
著者は、搾取者を絆喪失症候群、被搾取者を
燃えつき症候群と名付ける。
絆喪失者は男にも女にも居る。この手の女は、
大抵男を駄目にする妻になり、子を駄目にする母になる。
この本は、燃えつき症候群の人に、状況から脱する手懸り
になる様に、と書かれたものとのこと。

ただし世の中にどんな人が居るかの解説が主で、
処方箋もごく手短か。

▼著者によると、他人を攻撃する人には、毒茸型と、
毒蛇型とがある。
毒蛇型は露骨な攻撃をするので見分け易いけれど、
毒茸型はずる賢く、毒蛇を手下にして虐めをけしかけて、
自分の悪人性を大抵は隠し通す。

この本は、毒茸型の特徴を明かにして、毒茸型を見破り、
その手の人物を避け、身を守る方法を伝授する。

毒茸型は偽善者で、相手をも、周囲や世間をもだます。
成長する際に愛が不足した人は、他人からのおだてに
だまされ易い。おだてに乗せられて毒茸にとりつかれた人
は、燃えつきる。

口先だけの人、お世辞や甘言を弄する人を受入れ、率直
な忠告をする人を遠ざけて、心理上の孤立に追込まれる。


▼毒茸型偽善者にだまされるのを防ぐためには、
言葉を過大評価せずに、相手を良く観察するべきである。
あるいは、言葉よりも感覚を大事にするべきである。
偽善者は、言葉と本心とが矛盾する。
感覚を鋭くすれば、矛盾に気づき、偽善者を見破ることが出来る。
誰とも仲良くする八方美人の態度を止めて、相手を選ぶべきだ。
自分の世界を持ち、明確な目標を持つべきである。
他人に媚びたり迎合したりするのを止めるべきである。
哲学者気取りは駄目だ。

▼ずるい人、毒茸型の人は、弱い人、鴨を探索する。
ずるい人は他人を害しても、口先だけで切り抜ける。
燃えつきる人は、害を受けても、口先だけで
謝られれば、本心では腹の中が沸騰しても、許す。
そして身心の健康を悪化させる。
ずるい人は、偉大妄想、誇大妄想を持ち、燃えつきる人は、
逆に卑小妄想(著者は偽名現象と呼ぶ)を持ち、自らを過小評価する。

自分で自分を正当に評価することが出来ず、
他人からの評価や誉め言葉をあてにする。他人に取入る努力をする。
しかしそれをしても、燃えつきるだけ。
自分の好きなことで努力するべきである。
他人と信頼関係を築くには時間がかかる、焦りは禁物である。



▼母なるもの、母からの愛が人の成長には重要だと、著者は話す。
幼少期に母からの愛が不足した人は、成人してからそれを求める
ことがあるけど、無理である。
現代の日本の男は、妻に母を求める、と批判されることがある
けれど、これは明治近代以降の日本で家庭の機能が
衰退したことの反映であるのかもしれぬ。
日本の男は駄目だ、妻を母として見るな、妻をひたすら愛せ、
などと議論をする言論人、知識人は浅薄である。

現代の日本では、孤独死対策に熱心な意見がある
けれど、著者からすると、偽りの対人関係の中で燃えつきるよりも、
孤独死の方が良いと覚悟するべきとのこと。

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